中日ドラゴンズはなぜ弱いのか?⑥~ファンを見ない球団~

ドラゴンズ暗黒時代の始まり

今回はドラゴンズ応援歌自粛問題の流れから、ファンを見ない中日球団について考えてみようと思います。

以前にドラゴンズの暗黒時代の始まりを連続Bクラスが始まった高木監督の2年目シーズンから始まったと定義したことがありました。

詳しくはこちら⇒暗黒時代の現場

暗黒時代到来の原因

しかし、暗黒時代というものはある日突然に到来するものではなく、その要因のようなものが積もり積もって最終的に暗黒時代が始まるのだと思います。

さて、暗黒時代が到来した直接の原因は何だったのでしょうか?

なぜ落合監督は解任されたのか?

こう聞かれて多くのファンが真っ先に思い浮かべるのは2011年秋の落合監督の解任劇なのではないでしょうか?

当時、落合監督に率いられたドラゴンズは前年の2010年に優勝。落合監督解任が発表された2011年秋の時点でも優勝争いをしていました(その後優勝)。

そして何よりも落合監督就任以来ドラゴンズは常にAクラスにいました。

そんな落合監督の解任発表も今回の応援歌自粛問題と同様にシーズンの途中、しかも大切な優勝争いの最中に行なわれました。

球団はファンを見ていない

この時に私のなかで球団への不信感が芽生えたことは確かです。

落合監督の解任の原因はいろいろと取りざたされていますが、中日新聞社内の主導権争いの結果が波及したということのようです。

普通のドラゴンズファンにとっては中日新聞社の本社内の主導権争いなど、どうでもいいことです。しかし、中日新聞社にはそれがわからない。だからシーズン中なのに落合監督の解任を発表したり、応援団に圧力をかけて応援歌を自粛させたりしても何が問題なのかわからないのです。

中日球団はファンを見ていないのだと思います。見ているのは自分達の会社内だけ。これはプロスポーツのオーナー企業としては致命的です。

中日球団はジョイナスできないなら球団を手放すべき

さて、落合監督の解任劇の後釜を任されたのは高木守道監督でした。

この往年のドラゴンズレジェンドが掲げたチームのキャッチフレーズは「join us~ファンと共に~」でした。

このキャッチフレーズを定めたことによって、その後、高木監督はジョイナスと呼ばれるようになります。

当時、落合監督はファンサービスをしていないという批判を受けていたので、私も当初は落合前監督への当て付けに感じていましたが、今となっては少し評価を変えつつあります。

これは落合前監督にではなく、ファンを置き去りにしている中日球団にあてたメッセージだったのではないかと思います。

しかし、残念ながらその後も中日球団がファンと共に歩むことはなかったように感じます。その良い証左が今回の応援歌自粛問題だったのではないでしょうか?これを機に中日球団は心を入れ換えるか、あるいは球団を手放すべきでしょう。

最大のファンサービスとは?

最後に落合監督のファンサービスについて触れておきましょう。

落合監督は「勝つことは最大のファンサービス」だと言っていました。

これはある意味真理だと思います。

せっかく球場に足を運ぶなら勝つ試合が観たいに決まっています。

よく「遠足は家に帰るまでが遠足です」なんてことをいいますが、私の場合は、球場でドラゴンズの勝利を喜ぶ⇒ヒーローインタビューを聞く⇒家に帰る途中もその日の試合の話で盛り上がる⇒帰宅後にニュースでもう一度試合を振り返る。ここまで揃って最高の野球観戦でした。

しかし、負けてしまったら「ヒーローインタビューを聞く」以降は全部無くなります。

それに落合監督の時代はドラゴンズの野球を毎年10月下旬まで楽しめていました。

しかし、今はどうでしょうか?夏休みが始まる頃にはシーズンの大勢が見えてきて消化試合に入っているように感じます。

弱いということは、ファンが野球を楽しむ時間も奪っているということなのです。

ドラゴンズには早く「最大のファンサービス」を再開してもらえるように望みます。それを邪魔するのが中日球団フロントであれば彼らにはドラゴンズから手を引いてもらいたいものです。

さて、誤解のないように書いておきますが落合監督は「勝つことは最大のファンサービス」とは言っていますが、「勝つことは唯一のファンサービス」とは言っていません。なんだかこのことを勘違いしている人がたまにいるように感じます。

やっぱり、プロスポーツの現場が最優先に取り組むのは「勝つ」という最大のファンサービスです。そして、ファンを呼び込むようなその他のファンサービスを企画するのは本来現場の首脳陣や選手ではなく、球団の仕事でしょう。

中日球団がその努力をせずに、落合監督を解任した結果がここ数年のドラゴンズの観客動員の低下であることも付け加えて今回は終わりたいと思います。