中日ドラゴンズはなぜ弱いのかを考える当企画も今回で9回目になりました。今回は最近話題のテラスについて考えてみます。
さて本題に入る前に中日ドラゴンズの近況を振り返ってみましょう。
ドラゴンズは先週の阪神タイガースとの三連戦で主力の平田選手とアルモンテ選手が負傷、現在は二人共登録抹消となっています(こうなってみると井領選手の離脱も痛かったです)。
高橋周平選手はケガから復帰していますが、まだまだ調整不足の感が否めません。
そんな中でチームは現状4連敗中、借金も13まで増えてしまいました。
もっともケガ人が続出したら勝負にならないことはシーズン前からわかっていました。中日ドラゴンズの総年俸は12球団で最低。年俸だけですべてを判断することはできませんが、中日ドラゴンズは12球団で最も選手層が薄いチームだといえると思います。
こういう話をすると、「高額の年俸を払うに値する選手が育っていないから仕方がない」というような反論をされることがありますが、選手が育っていないならなぜFAなどで選手を獲得しないのでしょうか?
6年も連続でBクラスに甘んじていながら、外国人選手以外にまともな補強をしていない時点で球団に強くなる気などないのです。
だからこそケガ人が続出してしまえば、もう勝負にならないのです。選手層が薄いのですから仕方ありません。現在1軍にいる中日ドラゴンズの選手の皆さんには失礼なものいいになってしまいましたが、悔しければ勝ってください。
プロである以上、勝者はすべてが肯定され、敗者はすべて否定されるのです。
さて本題です。
近年、ソフトバンクホークスのヤフードームにテラスが設置され、今年からは千葉マリンスタジアムにもテラスが設置されました。
テラスの設置とは端的にいえば、球場が狭くなり本塁打が出やすくなる措置です。
現にテラス設置後のソフトバンクホークスは打者の本塁打数が増えました。私の記憶が正しければ、松田選手やイ・デホ選手の本塁打数は倍増に近い増え方をしたと思います。
私が野球を見始めた頃の福岡ドーム(現ヤフードーム)は広さとフェンスの高さを加味すると日本一本塁打の出づらい球場でした。
しかし、テラスを設置することによって比較的本塁打の出やすい球場になったと思います。
現在、中日ドラゴンズの本拠地であるナゴヤドームは札幌ドームに並んで最も本塁打が出にくい球場となっています。
そして、中日ドラゴンズの野手陣の近年の打撃成績を見てみると・・・確かにショボい。はっきり言って近年の中日ドラゴンズにスカッとする大逆転勝ちや打線爆発の試合を期待することはできません。
端的に言って試合内容はつまらないの一言に尽きます。しかもつまらない上に勝てないときていますので救いようがありません。
そんな中で浮上してきたのがナゴヤドームにテラスを設置してはどうか?という案です。
先日、中日ドラゴンズの選手たちにテラス設置についてインタビューした記事を見ました。
結果ははっきりしていました。投手は反対で野手は賛成。どちらも全会一致でした。まぁ野球を生業にしている選手たちにしてみれば死活問題ですからこの結果はある意味当然といえば当然でした。
投手の反対意見の中で、私が気になったのは「打ち取ったフラフラとしたあたりがフェンスギリギリで本塁打になってしまうのはきつい」というような意見でした。
しかし、どんな球場であれフェンスを越えられた時点で打ち取ったあたりではないのではないでしょうか?そもそもそんなレアな打球が年間に何回あるのか?
一方で野手の方は「しっかり捉えたあたりでもナゴヤドームのフェンスに阻まれることがある。これでは打者が育たない」といった意見がありました。
この意見は一理あるかなと私は思います。今年の堂上直倫選手の神宮球場での活躍ぶりを見ると、堂上直倫選手もヤクルトスワローズに入団して神宮球場を本拠地にしていればどんな成績を残していたのか興味があります。
実は私自身は、もともとテラスの設置は邪道だと思っていました。テラスを設置したソフトバンクホークスも見下していました。
またなによりも日本で一番本塁打が出にくい、広い球場を本拠地としている中日ドラゴンズを誇りに思っていました。
当時はボールが違うとはいえ、日本人でもシーズン30本塁打を打っていた福留選手や和田選手がいました。しかし、現在の中日ドラゴンズは広いナゴヤドームを本拠地にして戦えるチームではありません。
それに投手陣もナゴヤドームでの優位を活かしきれる実力がありません。
以上のことを考慮すると、私はナゴヤドームにテラスを設置するのは有りだと思います。
私は、野球は数字とメンタルのスポーツだと考えています。
球場で野球を見ていて、打席に入る打者の成績がオーロラビジョンに映し出された時、その成績がショボいと相手の投手は余裕を持って投げることができます。
一方でその打者の成績が良いと投手は萎縮し、球場のお客さんも期待します。仮にその成績が神宮球場や横浜スタジアムをメインに残した成績でもその影響は大きいのです。
今の中日ドラゴンズが強いチームになるために、一種のショック療法かもしれませんが、テラス設置をしてみるのも面白いと思います。
何よりも、球場に来ているお客さんが楽しく期待を持って観れる野球を中日ドラゴンズがする一助になると思います。
そしていつかはもとの広いナゴヤドームで本当のプロの野球をもう一度観せられるドラゴンズになってほしいと思います。