労働基準法が制定されたのは昭和22年であり非常に古い法律です。
そのため、条文も当時の労働者の状況を反映しています。
労働基準法の第1条を見てみましょう。
「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。」
「労働基準法で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るよう努めなければならない。」
これが労働基準法の第1条です。
この条文を読むと労働基準法制定当時の労働条件が「労働者が人たるに値する生活を営む」ことすら困難だったことが伺えると思います。
また、労働基準法に定める労働条件の基準は「労働者が人たるに値する生活を営む」ための最低基準とされていることにも注目です。
労働基準法に定められた労働条件の基準はあくまでも最低基準であり、さらによりよい労働条件で働けるように向上を図るように努めることが求められています。
最後に労働基準法に定める労働条件の基準は遠くにある目指すべき目標ではなく、すべての事業が満たしていて当然の最低基準であるということです。
しかしながら、労働基準法の最低から70年以上経過した現在でさえも、この最低基準を満たしていない労働環境が日本国中にあるのが現実です。
こうした現実を乗り越えるためには一人でも多くの人が労働基準法を知り、それを守ることが常識と思える社会にしていかなければいけないと思います。