今回は年少者の保護の一貫として年少者と児童の労働時間の制限についてご紹介します。
⇒「年少者の定義」
⇒「年少者の保護」
まず大前提として、年少者といった場合には当然その中には児童も含まれます。そしてさらに児童に対しては、より厳しい制限が規定されています。
労働基準法では年少者に対して次の①~③の規定は適用しないものとしています。
①変形労働時間制。
また年少者については次のように深夜業の時間帯も使用が禁止されています。
原則:午後10時~午前5時まで。
厚生労働大臣が必要と認める地域又は期間:午後11時~午前6時まで。
以上が年少者に関する労働時間の制限の原則です。
労働基準法では上記の原則に対して一定の特例や例外を認めています。順番に見ていきましょう。
次の1と2の特例が認められるのは満15歳以上の年少者(満15歳に達した日以後最初の3月31日までの間を除く)が対象です。つまり児童については変形労働時間制や以下の年少者の特例によって労働させることはできないということです。
1の場合に4時間以内に短縮とは労働時間0、つまり働かせないことも可能です。
次の1と2の場合には年少者に時間外労働や休日労働をさせることができます。
次の1~4の場合には年少者に深夜業をさせることができます。
ちなみに1に関して、災害等の場合認められますが公務が深夜に及んだ場合には年少者に深夜業をさせることができません。
また、当然ですが1から4のいずれの場合でも割増賃金は発生します。
さて年少者の中でも、よりいっそうの保護が必要な児童に関する制限についてご紹介します。
児童については、休憩時間を除いて労働時間と修学時間を通算して1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。
また1日について、休憩時間を除いて労働時間と修学時間を通算して7時間を超えて労働させてはいけません。
図示すると
1週間の法定労働時間:労働時間+修学時間-休憩時間≦40時間
1日の法定労働時間:労働時間+修学時間-休憩時間≦7時間
授業開始時刻から最終授業終了時刻までの時間から昼食時間を含めた休憩時間を除いた時間です。
次の時間帯は児童を使用してはいけません。
原則:午後8時~午前5時まで。
厚生労働大臣が必要と認める地域又は期間:午後9時~午前6時まで。
具体的には演劇の事業に使用される児童が演技を行う業務に従事する場合には午後9時~午前6時までの時間帯が適用されます。
以上、今回は年少者と児童の労働時間の制限についてご紹介しました。