労働基準法では年少者に対して2通りの対応が規定してあります。
まず1つ目は中学校卒業年度末までの児童が使用禁止となっていることです。
年少者の定義と児童の使用禁止・最低使用年齢はこちら
そして2つ目が最低使用年齢以上18歳未満の年少者に対する保護規定です。
今回はこの保護規定についてご紹介します。
労働基準法では年少者を使用する使用者に証明書等を備え付けることを義務付けています。
使用者が事業場に備え付けなければいけない書類は「戸籍証明書」です。
ただし、最低年齢の例外規定によって使用する児童については、つまり中学生以下の児童を使用する場合には、修学に差し支えないことを証明するために「戸籍証明書」とあわせて次の2つを事業場に備え付ける必要があります。
「学校長の証明書」と「親権者又は後見人の同意書」が必要です。
また、年少者の年齢確認義務は使用者にあります。
労働基準法では年少者が解雇された場合の帰郷旅費について使用者に負担を求めています。
ここでいう帰郷は、本人の住所地に限らず、父母その他の親族の保護を受ける場合にはその者の住所に帰る場合も含みます。
こちらは条文を見てみましょう。
「満18歳に満たない者が解雇の日から14日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。ただし、満18歳に満たない者がその責めに帰すべき事由に基づいて解雇され、使用者がその事由について行政官庁の認定を受けたときは、この限りでない。」
ちなみにこの帰郷旅費には、就業のために移転した家族の旅費も含まれます。
労働基準法では年少者を一定の有害な業務等に就かせることを制限しています。
使用者は18歳に満たない者を次の業務に就かせてはいけません。
①一定の危険な業務。
②一定の重量物を取り扱う業務。
③毒劇薬・爆発物等を取り扱う業務。
④安全、衛生又は福祉に有害な場所における一定の業務。
少し抽象的ですが、労働基準法が年少者をどのような業務に就かせないように規定しているかはわかるでしょう。
また、年少者であっても都道府県労働局長の許可を受けた使用者は、認定職業訓練生に技能を習得させるために必要があるときには上記の業務に就かせることができます。
使用者は18歳に満たない労働者を坑内で労働させてはいけません。
ただし、都道府県労働局長の許可を受けた使用者は、認定職業訓練生に技能を習得させるために必要があるときには満16歳以上の男性である訓練生に限って坑内労働の業務に就かせることができます。
以上、今回は年少者の保護規定についてご紹介しました。