女性の就業制限
労働基準法では女性について就業制限を規定しています。制限は女性全般に関わるものと妊娠・出産に有害である業務を制限する者などがあります。
一つずつ見ていきましょう。
生理休暇について
労働基準法第68条では使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはいけないとしています。
生理休暇は暦日単位で与えるのが原則ですが、請求があった場合には時間単位で与えてもかまいません。また、労働基準法上は有給でも無休でもどちらでも良いことになっていますが、生理休暇の日数等に上限を定めるようなことは認められません。
労働基準法第41条該当者でも生理休暇の規定は適用されます。
坑内労働の制限
坑内労働については労働基準法第64条の2で規定されていますが、制限される業務と対象になる女性労働者がそれぞれ細かく規定されているので少し詳しく見ていきます。
坑内で行われるすべての業務が制限される場合
①妊娠中の女性。
②坑内で行われるすべての業務に従事しない旨を使用者に申し出た産後1年を経過しない女性。
人力による掘削作業その他女性に有害な業務として厚生労働省令で定める業務が制限される場合
坑内で行われるすべての業務が制限される女性労働者以外の満18歳以上の女性。
ここで規定されている「厚生労働省令で定める業務」とは次の2つです。
①具体的には人力・動力・発破により行われる鉱物等の業務。
②①の業務に付随する資材等の運搬等の業務。
危険有害業務の制限
労働基準法第64条の3では女性労働者が一定の危険有害業務に就くことを制限しています。
妊産婦の就業制限
①重量物を取り扱う業務。
②有害ガスを発散する場所における業務。
③その他妊産婦の妊娠、出産、哺育等に有害な業務。
⇒妊産婦の定義はこちら
妊産婦以外の満18歳以上の女性の就業制限
女性の「妊娠又は出産に係る機能に有害な業務」として次の業務への就業が制限されています。
- 断続作業の場合30キログラム以上の重量物を取り扱う作業。
- 継続作業の場合20キログラム以上の重量物を取り扱う作業。
- 呼吸用保護具の使用が義務付けられる業務。
- 作業環境測定の結果、第3管理区分に区分された屋内作業場の業務。
3と4に関しては次の3種類の規則によって一定の有害物を発散する作業場である場合に就業が制限されます。
①特定化学物質障害予防規則。
②鉛中毒予防規則。
③有機溶剤中毒予防規則。
以上、今回は女性の就業制限についてご紹介しました。