今回は時間外労働と休日労働の定義についてご紹介します。
まず、重要なことなので先に書きますが、労働基準法において時間外労働や休日労働は原則禁止です。
時間外労働とは法定労働時間を超えて労働することであり、休日労働とは法定休日に労働することです。
使用者が時間外労働や休日労働を労働者にさせることができるのは次の2パターンに該当した場合です。
以上の2パターンのどちらかに該当した場合に時間外労働や休日労働が許されます。
時間外労働や休日労働をした場合には、通常の賃金に一定の割り増しをした割増賃金を支払わなければいけません。
労働基準法において、労働者が就業規則等に定める所定労働時間を超えて残業をしたり、同じく就業規則等に定める所定休日に出勤したとしても、法定労働時間を超えずに法定休日が確保されている場合には時間外労働や休日労働には該当しません。
具体例を2つあげます。
例1)所定労働時間が7時間の事業所で働く労働者が1時間の残業をした場合。1日の法定労働時間の8時間を超えていませんので、時間外労働には該当しません。割増賃金を支払う必要はありません。当然ですが割増賃金を支払う必要がないだけで1時間分の通常の賃金を支払う義務はあります。
例2)土曜日と日曜日が所定休日となっている完全週休2日制の事業所において土曜日に出勤した場合。日曜日が休みのため、毎週1日の法定休日は確保できているので休日出勤には該当しません。こちらも休日出勤の割増賃金を支払う必要はありませんが、土曜日に出勤したことによって1週間の法定労働時間の40時間を超えてしまった場合には時間外労働に該当する可能性があります。
以上、具体例を2つあげましたが、ポイントは「法定労働時間と法定休日」、「所定労働時間と所定休日」の違いを理解することです。
最後に時間外労働や休日労働に関する具体的な指示がない場合であっても、使用者が指示した仕事内容が客観的に見て正規の勤務時間内ではできないと認められるような場合には、超過勤務の「黙示の指示」があったとして時間外労働や休日労働に該当します。
以上、今回は時間外労働と休日労働の定義についてご紹介しました。