調整保険料は組合管掌健康保険の一般保険料に含まれている保険料です。
調整保険料が徴収される理由は、一言で言ってしまうとたくさんある健康保険組合間の財源の不均衡を調整するためです。
健康保険組合は所属する組合員の標準報酬や平均年齢によって、収入金額や支出金額が異なります。
例えば所属する組合員の標準報酬が高ければ多くの健康保険料を徴収することができますが、標準報酬が低ければ徴収できる健康保険料が少なくなってしまいます。
また、平均年齢が若いほうが医療費が安く抑えられる傾向があります。
こうした健康保険組合間の財政の不均衡を調整するために調整保険料を徴収することになっています。
健康保険組合の財政の不均衡はなぜ生じるのでしょうか?
それは医療に関する給付等に要する費用がかかるためです。具体的には次のようなものにかかる費用が財政調整のもとになります。
財政調整は次のような流れで行われます。
STEP1、事業主や被保険者から健康保険組合が調整保険料を徴収。
STEP2、健康保険組合が調整保険料をもとにして健康保険組合連合会に拠出金を拠出。
STEP3、健康保険組合連合会が拠出金をもとにして健康保険組合に交付金を交付。
調整保険料額は各月について次の計算式でもとめます。
調整保険料率は交付金の交付に要する費用並びに健康保険組合の組合員である被保険者の数及び標準報酬を基礎として、政令で定められています。
具体的な計算式は次の通りです。
基本調整保険料率✕修正率=調整保険料率
基本調整保険料率は次のように計算して厚生労働大臣が定めています。
交付金総額の見込額÷(全健康保険組合の標準報酬月額の総額+標準賞与額の総額)=基本調整保険料率
また、修正率は次の計算でもとめた比率を基準として健康保険組合連合会が定めます。
各健康保険組合の見込所要保険料率÷全健康保険組合の平均の見込所要保険料率=基準比率
調整保険料率の計算方法などは、一般的にはあまり使わない知識だと思います。
しかし、過去には社会保険労務士試験に出題されたこともあるので、社会保険労務士試験を受験される方はぜひ頭に入れておいて下さい。