前回ご紹介した健康保険の適用除外についての続きです。
健康保険の適用除外についてはこちら⇒健康保険を適用除外となる者
健康保険の適用が除外される者として「一定の短時間労働者」があります。
今回はこの「一定の短時間労働者」についてご紹介します。
「一定の短時間労働者」については、健康保険の適用が除外されるとされています。逆に言うとパートやアルバイトといった働き方であっても「一定の短時間労働者」に該当しない限りは健康保険が適用されるということです。
その労働者に健康保険が適用されるかどうかは、その労働者の労働条件次第とも言えます。
それでは健康保険を適用しなければいけない労働者の要件はどうなっているでしょうか?
ここでは「一定の短時間労働者」の要件を書くのではなく、「一定の短時間労働者」に該当しないパターン(つまり健康保険を適用しなければいけないパターン)をご紹介します。
次の2つの要件を満たした労働者は、例えパートやアルバイトでも健康保険を適用しなければいけません。
以上が健康保険の適用要件です。所定労働時間と所定労働日数が通常の労働者の4分の3以上であることが要件となっています。(以下4分の3以上の労働者といいます)
ただし、一定規模以上の「特定適用事業所」については、上記の要件を満たしていない労働者についても健康保険を適用しなければいけなくなりました。
特定適用事業所の場合は上記の要件の他に下記の要件を満たした労働者も健康保険を適用しなければいけません。
この要件が追加されたことによって、より多くの労働者が健康保険に適用されるようになった一方で、従来は健康保険は夫の扶養に入りながらパートをしていた奥さんが夫の健康保険の扶養から外れるという事態が発生しました。
さて、書き忘れるところでしたが、「特定適用事業所」の要件を見てみましょう。
事業主が同一である1又は2以上の適用事業所に使用される次の者の合計人数が500人を超える各適用事業所のことです。
「事業主が同一である1又は2以上の適用事業所」とは具体的にはチェーン店などの場合にはそのチェーン店の労働者すべてを合計するという意味です。
また「500人を超える」とは501人以上ということです。つまり上記労働者の合計がちょうど500人であれば、特定適用事業所には該当しません。
この特定適用事業所のみに、健康保険を適用しなければいけない労働者の要件をゆるめている措置はあくまでも暫定措置です。
今後は、どこかのタイミングで特定適用事業所に該当しない中小規模の事業所に対しても特定適用事業所と同様の要件で労働者に健康保険を適用しなければいけなくなる予定です。
以上、今回は短時間労働者における健康保険の適用要件についてご紹介しました。