保険者等は次のいづれかに該当する場合には、国税滞納処分の例によってこれを処分することができます。
また、国税滞納処分の例によって処分することができる保険料等の先取特権の順位は、「国税及び地方税に次ぐもの」とされています。
保険者等は、自ら国税滞納処分の例によって処分する以外にも、この処分を市町村に請求することができます。
ここでいう市町村とは、納付義務者の居住地もしくはその者の財産所在地の市町村です。
また、市町村とはいいながら、特別区(例、品川区・千代田区等)も含み、地方自治法に規定する指定都市にあっては区又は総合区(例、大阪市の場合は、滞納処分請求先は大阪市ではなく淀川区や都島区などになります)のことです。
市町村は、当該処分の請求を受けたときは、市町村民税の例によってこれを処分することができます。
この場合は、保険者は、徴収金の100分の4に相当する額を当該市町村に交付しなければいけません。
交付する主体が保険者等ではなく保険者になっている点に注意してください。
保険者等に含まれる厚生労働大臣の滞納処分に関する権限に係る事務は日本年金機構に委任されています。
日本年金機構が国税滞納処分の例による処分を行なう場合には、あらかじめ厚生労働大臣の認可を受ける必要があります。
また、その際には日本年金機構が定めて、厚生労働大臣の認可を受けた滞納処分等実施規定に従い、厚生労働大臣の認可を受けて日本年金機構の理事長が任命した徴収職員に行なわせなければいけません。
なんだか厚生労働大臣の認可がたくさん出てきましたので、厚生労働大臣の認可が必要な事柄をまとめます。
また、全国健康保険協会や健康保険組合が国税滞納処分の例によって処分を行なう場合でも、厚生労働大臣の認可を受ける必要があります。
厚生労働大臣は日本年金機構から求めがあった場合には、自ら滞納処分を行なうことができます。
また、滞納者が悪質な場合には、その権限を税務大臣を通じて国税庁長官に委任することができます。
国税庁長官に委任することができるということは、税務署が動くということです。保険料等の滞納はやめましょう。