被保険者が出産した場合は出産手当金
出産手当金は被保険者が出産した場合に産前産後の所得補償として支給されます。よって被扶養者が出産した場合には出産手当金は支給されません。
出産手当金の支給期間
出産手当金は任意継続被保険者を除く被保険者が出産したときに、出産の日以前42日から出産の日後56日までの間の労務に服さなかった期間に支給されます。
支給期間の注意点
- 出産の日は、実際の出産の日が出産予定日後であるときは出産予定日を出産の日とします。つまり、出産予定日後に出産した場合には「42日」が45日になったりする場合もあるということです。この場合増えた日数が「出産の日後56日」から差し引かれることはありません。
- 出産した日は出産の日以前42日の中にカウントされます。
- 多胎妊娠の場合には「出産の日以前42日」は、出産の日以前98日になります。
- 出産手当金は、労務に服さないことが要件なので、傷病手当金のように労務不能である必要はありません。またここで言う労務とは事業所での労務のことですので家庭内での炊事洗濯をしていても大丈夫です。
- 労務に服さない期間中の公休日についても支給されます。
出産手当金の支給額は1日に賃金日額の3分の2
出産手当金の支給額は1日につき、出産手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額(被保険者が現に属する保険者等により定められたものに限る)を平均した額の30分の1に相当する額(10円未満の端数があるときは四捨五入)の3分の2に相当する金額(1円未満の端数がある場合には四捨五入)です。
直近の継続した期間において標準報酬月額が定められている月が12ヶ月に満たないとき
この場合には次の1と2の額のうち、いずれか少ない額の3分の2に相当する金額(1円未満の端数がある場合には四捨五入)になります。
- 出産手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額(10円未満の端数がある場合には四捨五入)。
- 出産手当金の支給を始める日の属する年度の前年度の9月30日における全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額を標準報酬月額の基礎となる標準報酬とみなしたときの標準報酬月額の30分の1に相当する額(10円未満の端数がある場合には四捨五入)。
出産手当金の支給額の求め方は傷病手当金と同じ
ここまで見てきたように出産手当金の支給額の求め方は傷病手当金の支給額の求め方と同じです。
報酬を受けていた場合には報酬を優先
出産した場合において、報酬の全部又は一部を受けることができる者に対しては、これを受けることができる期間、出産手当金は支給されません。
ただし、受けることができる報酬の額が出産手当金の額より少ないときは、その差額が支給されます。