健康保険の保険者等は、健康保険事業に要する費用に充てるため、保険料を徴収することになっています。
ここでいう「保険者等」とは、その健康保険が協会けんぽなのか、組合管掌健康保険なのかで違ってきます。
協会けんぽの健康保険料の徴収は厚生労働大臣が行なうことになっています。
もちろん厚生労働大臣が直々に各適用事業所から健康保険料を徴収するわけではなくて、具体的な徴収事務を行なうのは日本年金機構です。
ただし、協会けんぽの任意継続被保険者に関する保険料は全国健康保険協会が行なうことになっています。
また、組合管掌健康保険の健康保険料を徴収するのは健康保険組合となります。
健康保険料の徴収は健康保険事業に要する費用に充てるために徴収されますが、ここでいう健康保険事業に要する費用には下記の納付に要する費用も含まれます。
また健康保険組合の場合には日雇拠出金の納付に要する費用も含まれます。
協会けんぽの健康保険料は各適用事業所から厚生労働大臣が徴収した後に、徴収した保険料等を政府が全国健康保険協会に交付することになっています。
健康保険料の流れとしては、「各適用事業所⇒厚生労働大臣(=政府)⇒全国健康保険協会」となります。
政府が全国健康保険協会に交付する保険料等とは具体的には次のものです。
また、こうした保険料等を交付する際には、厚生労働大臣が行なう健康保険事業の事務の執行に要する費用に相当する額を控除した額を交付することになります。
当然ですが、厚生労働大臣が行なう健康保険事業の事務の執行に要する費用の中には国庫負担金は含まれません。
全国健康保険協会による健康保険料の徴収はどちらかというとレアケースです。
厚生労働大臣は、全国健康保険協会と協議を行なった上で、効果的な健康保険料の徴収を行なうために必要があると認める場合に限って、全国健康保険協会に滞納者に係る健康保険料の徴収を行なわせることができるとされています。
この際、厚生労働大臣は全国健康保険協会に対して滞納者に関する情報その他必要な情報を提供することができることになっています。
また、この場合には厚生労働大臣は滞納者に対して、全国健康保険協会が健康保険料の徴収を行なうこととなる旨その他の厚生労働省令で定める事項を通知しなければいけません。