事業計画と予算の作成
まずは事業年度の開始前に行うことから始めます。
事業年度開始前に行うこと
- 事業計画の作成。⇒厚生労働大臣の認可。
- 予算の作成。 ⇒厚生労働大臣の認可。
全国健康保険協会は事業計画の作成と予算の作成を毎事業年度行わなくてはいけません。
また、事業年度の開始前に作成した事業計画と予算について厚生労働大臣の認可を受けなければいけません。事業計画や予算を変更しようとする場合にも厚生労働大臣の認可が必要になってきます。
事業の報告と決算の作成
事業年度が終了した場合には決算の作成や事業の報告が必要になります。こちらも確認していきましょう。
事業年度終了後に行うこと
- 決算の完結(翌事業年度の5月31日まで)。
- 財務諸表の作成。
- 厚生労働大臣に提出(決算完結後2ヶ月以内)。⇒承認。
さて、こちらも全国健康保険協会が毎事業年度行わなくてはいけないことです。
財務諸表の提出にあたっては次の3つをつける必要があります。
財務諸表に添付するもの
- 事業報告書。
- 決算報告書。
- 監事と会計監査人の意見。
これらを決算完結後2ヶ月以内に厚生労働大臣に提出して、厚生労働大臣の承認を受けなければいけません。
財務諸表等の提出を受けた厚生労働大臣が行うこと。
- 全国健康保険協会の事業年度ごとの業績について評価をする。
- その評価の結果を遅滞なく全国健康保険協会に通知する。
- その評価の結果を公表する。
厚生労働大臣は財務諸表等が提出されたら全国健康保険協会の業績について評価をします。そしてその結果を遅滞なく全国健康保険協会に通知するとともに公表しなければいけません。
運営にあたっての準備金は1ヶ月分
全国健康保険協会は毎事業年度末において一定額の準備金を積み立てていなければいけません。
準備する金額は当該事業年度を含む直近3事業年度内において行なった保険給付に要した費用の額の1事業年度当たりの平均額の12分の1とされています。
言い方は回りくどいですが、つまりは直近3事業年度内に行なった保険給付に要した費用の額の1ヶ月分の準備金が必要ということです。
保険給付に要した費用の額に含まれるもの
- 前期高齢者納付金等
- 後期高齢者支援金等
- 日雇拠出金
- 退職者給付拠出金
- 介護納付金
保険給付に要した費用の額とは、実際の保険給付の額の他に上記の費用も含まれます。ただし、前期高齢者交付金がある場合にはその金額を上記の金額から控除した金額が保険給付に要した費用の額になります。
この準備金の額に相当する額に達するまでは、事業年度の剰余金を準備金として積み立てる必要があります。
その他財産関係
全国健康保険協会は次のことをする場合には厚生労働大臣の認可を受けなければいけません。
厚生労働大臣の認可が必要なこと
- 業務に要する費用に充てるために短期借入金をすること。
- 重要な財産を譲渡すること。
- 重要な財産を担保に供すること。
全国健康保険協会は公法人であり、その職員は公務員ではありませんが完全に自由なわけではなく厚生労働大臣をはじめとする政府の監督を受ける部分があるのです。
以上、今回は全国健康保険協会の運営についてご紹介しました。