保険料率を決めるには財政の均衡が必要
協会けんぽ(全国健康保険協会管掌健康保険)の都道府県単位保険料率は、次の4点に照らして毎事業年度において「財政の均衡」を保つことができるものとなるように「政令」で定めるところによって算定されます。
財政の均衡をはかる項目
- 療養の給付等に要する費用。
- 前期高齢者納付金等。
- 後期高齢者支援金等。
- 保健事業・福祉事業に要する費用の額等。
都道府県単位保険料率の設定
都道府県ごとの設定の問題点
都道府県単位保険料率は都道府県ごとに設定されます。
しかし、都道府県ごとの医療費や所得水準をそのまま保険料率に反映させた場合には、次のような問題点が出てきます。
- 年齢構成の高い都道府県ほど医療費が高くなるため、保険料率が高くなる。
- 同じ医療費であった場合には所得水準が低い都道府県ほど保険料率が高くなる。
所得水準の差などは都道府県間で調整
このような問題を解決するため、次の2つに関しては都道府県間で調整をして保険料率が設定されます。
- 年齢構成の違いに伴う医療費の差。(支部被保険者・その被扶養者の年齢階級別の分布状況)
- 所得水準に起因する財政力の差。(支部被保険者の総報酬額の平均額)
こうすることによって、都道府県単位保険料率は地域の医療費格差のみを反映して設定されるのです。
健康保険事業の収支の見通し
収支の見通しは2年ごとに作成・公表
全国健康保険協会は、2年ごとに、翌事業年度以降の5年間についての全国健康保険協会が管掌する健康保険の次の項目について健康保険事業の収支の見通しを作成し、公表するものとされています。
- 被保険者数の見通し。
- 総報酬額の見通し。
- 保険給付に要する費用の額。
- 保険料の額(各事業年度において財政の均衡を保つことができる保険料率の水準を含みます)。
- その他。
次回は都道府県単位保険料率の変更手続きについてご紹介予定です。