狭義の社会保険
健康保険と厚生年金保険を総称して「狭義の社会保険」といいます。
そのあたりの詳細はこちらをご参照下さい。⇒社会保険とは
今回は狭義の社会保険における一括適用事業所についてご紹介します。
一括適用事業所
一括適用事業所にすることのメリットとは
狭義の社会保険の手続きは事業所単位で行なう必要があります。
つまり、同じ会社であっても、東京に本社、大阪に営業所、福島に工場がある場合などは原則として東京本社、大阪営業所、福島工場の3ヶ所それぞれで別々に狭義の社会保険の届出手続き等を行なう必要があるのです。
しかし、一括適用事業所になることによって東京本社、大阪営業所、福島工場の3ヶ所の届出手続き等を東京本社で一括して処理することができるようになるのです。
同一の会社で事業所ごとに総務部門を置くのは効率的とは言えない場合があるとおもいますが、一括適用事業所となることによってその弊害を防ぐことができます。
一括適用事業所になるには?
2以上の適用事業所の事業主が同一である場合に、厚生労働大臣の承認を受けることによって2以上の事業所を一の事業所とすることができることです。
一括適用事業所になる要件は2以上の適用事業所の事業主が同一であることです。厚生年金保険の場合は2以上の船舶の船舶所有者が同一である場合も含みます。
そして、厚生労働大臣の承認を受けることによって一括適用事業所となることができます。
注意!事業所と船舶のペアは×
一括適用事業所は2以上の適用事業所の事業主が同一である場合になることができますが、厚生年金保険の場合に適用事業所の事業主と船舶の船舶所有者が同一である場合もありえると思います。
しかし、一括適用事業所はあくまでも2以上の適用事業所であるか、2以上の船舶である場合でなくてはなることができません。
そのため、仮に適用事業所の事業主と船舶の船舶所有者が同一であっても一括適用事業所になることはできません。
一括適用事業所となった場合は
2以上の適用事業所あるいは2以上の船舶が一括適用事業所になった場合には、当該2以上の適用事業所等あるいは2以上の船舶は適用事業所ではなくなったものとみなされます。
つまり、2以上の適用事業所は一括適用事業所になったあとは個別の事業所単位では適用事業所とはみなされなくなるのです。
以上、今回は狭義の社会保険の一括適用事業所についてご紹介しました。