健康保険法第2条は健康保険制度の基本的理念が規定されています。まずは条文を確認してみましょう。
「健康保険制度については、これが医療保険制度の基本をなすものであることにかんがみ、高齢化の進展、疾病構造の変化、社会経済情勢の変化等に対応し、その他の医療保険制度及び後期高齢者医療制度並びにこれらに密接に関連する制度と併せてその在り方に関して常に検討が加えられ、その結果に基づき、医療保険の運営の効率化、給付の内容及び費用の負担の適正化並びに国民が受ける医療の質の向上を総合的に図りつつ、実施されなければならない。」
以上、結構長い条文ですのがここから内容を紹介していきます。
まず、健康保険制度について「医療保険制度の基本をなすもの」であるとしています。
そして医療保険制度の基本をなす健康保険制度が対応する問題が次に列挙されています。
健康保険制度は次のような社会の諸問題に対応するものとされています。
健康保険制度は上記のような社会の諸問題に対応するために、その在り方に関して常に検討が加えられるとされています。
なぜなら上記のような諸問題はそれ自体が常に変化をするものですから、それにあわせて健康保険制度も常に検討を加える必要があるのです。
また、健康保険制度の在り方について検討が加えられる際には、次の制度と併せて検討を加えるとされています。
つまり、「高齢化の進展」等の社会の諸問題に健康保険制度・その他の医療保険制度・後期高齢者医療制度・これらに密接に関連する制度が力を併せて対応していくことになっているのです。
健康保険制度は常に検討が加えられますが、その結果として次の4つを総合的に図りつつ健康保険制度が実施されなければならないとされています。
健康保険制度が最終的に目指すものはこの4つなのです。健康保険法第2条は少し長い条文でしたが、項目ごとに分解して見てみると結構わかりやすくなったと思います。