保険医療機関と保険薬局

保険医療機関と保険薬局とは?

保険医療機関及び保険薬局とは医療保険各法の規定による療養の給付等を行なう病院若しくは診療所又は薬局として、厚生労働大臣の指定を受けた病院若しくは診療所又は薬局のことです。

つまり、保険医療機関及び保険薬局とは健康保険等の医療保険を使うことができる医療機関として厚生労働大臣の指定を受けたものということです。

保険医療機関と保険薬局のことを総称して「保険医療機関等」といいます。

ここでいう医療保険各法とは次の法律のことです。

療養の給付等を行なう医療保険各法

  • 健康保険法
  • 船員保険法
  • 国民健康保険法
  • 国家公務員共済組合法
  • 地方公務員等共済組合法

保険医療機関等の指定

保険医療機関等になるためには、厚生労働大臣の指定を受けなくてはいけません。厚生労働大臣の指定を受けるためには次のような手続きを踏む必要があります。

また、病院又は病床を有する診療所については、医療法に規定する病床の種別ごとにその数を定めて指定の申請を行うことになります。

保険医療機関等への道のり

  1. 病院若しくは診療所又は薬局の開設者による申請。
  2. 厚生労働大臣が地方社会保険医療協議会に諮問する。
  3. 厚生労働大臣の指定。

指定の辞退

保険医療機関等は1ヶ月以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができます。つまり、保険医療機関等になった場合には、突然、医療機関をやめることはできないのです。

保険医療機関等の指定の効力は6年間

保険医療機関等の指定は、指定の日から起算して6年間を経過したときは、その効力を失います。

ただし、病院及び病床を有する診療所を除く個人開業の保険医療機関等は、その指定の効力を失う日前6ヶ月から3ヶ月までの間に別段の申出をしないときは、保険医療機関等の指定の申請があったものとみなされます。

保険医療機関等の指定の拒否

厚生労働大臣は次の場合には、地方社会保険医療協議会の議を経た上で保険医療機関等の指定をしないことができます。

指定の拒否には医療機関すべての拒否と一部の拒否があります。

保険医療機関等の指定の拒否(すべて)

  • 保険医療機関等の指定を取り消された日から5年を経過しないもの。
  • 保険医療機関等として著しく不適当と認められるもの。

保険医療機関等の指定の拒否(一部)

  • 病院又は病床を有する診療所について指定の申請があった場合に、その医療機関等の医師・看護師等の従業者の人員が厚生労働大臣が定める基準により算定した員数を満たしていない場合。

この場合には、その申請に係る病床の全部又は一部を除いて指定を行なうことができます。

以上、今回は健康保険の保険医療機関等についてご紹介しました。