被保険者証は健康保険の被保険者に交付されます。健康保険における身分証明書のようなもので一般的には保険証と言われることが多いのではないでしょうか。
被保険者証は健康保険の療養の給付等を受ける際に、医療機関の窓口に提出しなければいけません。
保険者は次の場合に、被保険者に対して被保険者証を交付します。
被保険者証の交付は、一般の被保険者については事業主を経由して行なわれ、任意継続被保険者については保険者から本人に直接交付されます。
次の場合には、被保険者証を返納しなければいけません。
被保険者証の返納も一般の被保険者については事業主を経由して行なわれ、任意継続被保険者については本人が保険者に直接返納します。
具体的には次のような流れです。
一般の被保険者:被保険者⇒5日以内に提出⇒事業主⇒遅滞なく返納⇒保険者
また、返納が被保険者の資格の喪失である場合には、資格喪失届に添付して被保険者証を返納します。
任意継続被保険者:本人⇒5日以内に返納⇒保険者
資格喪失の原因が死亡である場合には、一般の被保険者・任意継続被保険者のどちらも埋葬料又は埋葬費の支給をうけるべき者が、その申請の際に返納しなければいけません。
被保険者は次の場合には、遅滞なく、被保険者証を添えて申請書を保険者に提出することによって、被保険者証の再交付を申請しなければいけません。
3の被保険者証を失った場合には、再交付の申請の際に被保険者証を添える必要はありません(失ったものを添えることはできませんから…)。
被保険者は次のいづれかに変更があった場合には、遅滞なく、被保険者証を保険者に提出して被保険者証の訂正をしなければいけません。
被保険者証の交付・返付・再交付が行なわれるまでの間(つまり一時的に被保険者証が手元にない場合)に、療養の給付等を受ける必要が出た場合には、保険者は有効期限を定めた「被保険者資格証明書」を交付します。
「被保険者資格証明書」は被保険者証の交付等が行なわれるまでの間、被保険者証の変わりに医療機関に提出することができます。
70歳以上の被保険者又は被扶養者は、一部負担金の割合が低くなる場合があります。
具体的には療養の給付の一部負担金が1~3割のいづれかになります。これは生まれ年と所得によって決まります。
そのため、70歳以上の者には一部負担金の割合を記載した「高齢受給者証」が交付されます。70歳以上の者が療養の給付等を受ける場合には被保険者証と高齢受給者証の両方を提出することになります。
高齢受給者証の交付・更新・返納等については被保険者証に関する規定が準用されます。