健康保険と一口に言っても我が国の公的医療制度には社会保険の健康保険、国民健康保険、後期高齢者医療保険があることは以前ご紹介しました。
我が国の公的医療保険制度についてはこちら⇒健康保険と国民健康保険
今回はこうした我が国の公的医療保険制度の保険者についてご紹介します。
まずは保険者とは何なのかを定義しておきます。
保険者とは、保険事業の経営主体として保険給付等の事業を行う者のことです。
一方で医療保険制度に入っている者のことを被保険者といいます。そのため、私たちが普段から「健康保険証」と言っているものの正式名称は「健康保険被保険者証」と言うのです。
狭義の社会保険として健康保険と厚生年金保険があります。この狭義の社会保険は被用者が加入する公的な医療保険と年金の制度です。
この狭義の社会保険としての健康保険の保険者は健康保険法によって次の2つとされています。
健康保険組合とは、次の3者によって組織される公法人です。
そして、全国健康保険協会は健康保険組合に加入していない中小の事業所が加入する保険者です。また、レアケースですが日雇例被保険者も全国健康保険協会が保険者となります。
国民健康保険の保険者は次の2つとされています。
国民健康保険組合とは同種の事業又は業務に従事する者で当該組合の地域内に住所を有するものを組合員として組織するもので医師国民健康保険組合や建設業国民健康保険組合などがあります。
都道府県及びその都道府県内の市町村と特別区については、従来は市町村と特別区が国民健康保険の保険者とされていました。
しかし少子高齢化などによって健康保険財政が厳しい自治体も出てきていることから公的医療保険の運営の広域化が図られ、平成30年から都道府県が保険者に加わりました。
後期高齢者医療保険の保険者は後期高齢者医療広域連合です。
後期高齢者医療広域連合とは、都道府県の区域ごとにその区域内のすべての市町村が加入することとされています。
後期高齢者医療保険においても、国民健康保険と同様に都道府県単位での制度の運営となっています。
以上、今回は公的医療保険制度の保険者についてご紹介しました。
今後、各保険者についても詳細をご紹介したいと思っています。