健康保険の保険給付は、被保険者本人だけではなく、その被扶養者も受けることができます。被扶養者とはいわゆる扶養家族のことです。
今回は健康保険の被扶養者になりえる家族の範囲をご紹介します。
健康保険の被扶養者は、被保険者との関係によって被保険者によって「生計を維持」されていれば被扶養者になれる者と被保険者によって「生計を維持」された上で被保険者と同一の世帯でなければ被扶養者になれない者がいます。
それぞれ確認していきましょう。
生計維持についてはこちら⇒健康保険の被扶養者の生計維持関係認定
主として被保険者によって「生計を維持」されていれば被扶養者になれるのは次の者です。
以上の者は、主として被保険者により「生計を維持」されていれば被扶養者になることができます。
1の直系尊属とは、父母、祖父母、曾祖父母などのことを言います。
ちなみに子、孫、曾孫などのことを直系卑属といいます。ここで直系卑属という言葉を使っていないのは、曾孫は被保険者による「生計維持」だけでは被扶養者になれないからです。
また、2の配偶者には、届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含みます。社会保険関係で配偶者という場合にはだいたい事実婚も配偶者として扱います。
養子縁組によって親子関係を結んだ養父母や養子は、父母や子に該当しますので主として被保険者により「生計を維持」されていれば被扶養者になります。
次の者は、被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持されることで被扶養者になることができます。
当然ですが、1の3親等以内の親族には、「生計維持」のみで被扶養者になることができる親族は含まれません。
以上、健康保険の被扶養者になりうる親族の範囲をご紹介してきましたが、後期高齢者医療の被保険者等は健康保険の被扶養者にはなれませんのでご注意下さい。