健康保険の被扶養者(いわゆる扶養家族)になるためには、主として健康保険の被保険者によって「生計を維持」されている必要があります。
被扶養者の範囲についてはこちら⇒健康保険の被扶養者の範囲
今回は主として被保険者によって「生計を維持」されていると認定されるための基準をご紹介していきます。
生計維持関係の認定基準はその認定対象者(被扶養者になろうとする者)が、被保険者と同一の世帯に属しているか否かで違ってきます。
同一の世帯に属しているとは、被保険者と住居及び家計を共同にしていることをいいます。
ちなみに、同一の戸籍内にあるかどうかは問われません。また、被保険者が世帯主である必要もありません。
レアケースですが被扶養者が病院に入院している場合など、一時的な別居と認められる場合には被扶養者の認定がされます。
まずは、認定対象者が被保険者と同一の世帯に属している場合について見ていきましょう。
原則として、次の2つの要件を満たした場合には生計維持関係の認定がされます。
※ただし、上記2に該当しない場合であっても、上記1に該当し、かつ被保険者の年間収入を上回らない場合にはその世帯の生計の状況を総合的に勘案して、被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者に該当するものとして差し支えないとされています。
認定対象者が被保険者と同一の世帯に属していない場合には次の2つの要件を満たした場合に生計維持関係が認定されます。
よって被保険者と同一の世帯に属していない場合には、被保険者の援助を受けていないと被扶養者になることはできません。
認定対象者が次のいずれかに該当する者については、年間収入が180万円未満でなければ生計維持関係の認定はされません。これは被保険者と同一の世帯に属している場合であっても同一の世帯に属していない場合であったも同じです。
これらの者は、上記の原則の要件1の年間収入が180万円未満になります。
この場合には原則として年間収入の多い方の被扶養者となります。
年間収入が同程度の場合には、届出によって、主として生計を維持する者の被扶養者が決まります。
ここまでに出てきた年間収入は、すべての収入を対象としています。よって公的年金や雇用保険の失業等給付による収入も原則として年間収入に含まれます。