効率的なアウトプット学習
前回は「いかにして記憶を定着させるか?」をご紹介しましたが、今回はその続編です。
短期記憶を長期記憶に変換するためには新しく覚えたことを繰り返しアウトプットする必要があるということをご説明しました。
それではどうすればアウトプット学習が効率的にできるのでしょうか?
まず短期記憶は失われやすいので、一度勉強したことをできるだけ早くもう一度復習する必要があります。もっとも大切なことは同じ内容を勉強してから復習するまでのインターバルです。インターバルが空けば空くほど、記憶は失われてしまいます。
そのため、前回は学習範囲の広い資格取得の勉強をする際には1科目づつ分けて勉強することをオススメしました。
さて、ここからが今回の本題です。
アウトプット学習とは覚えたことを頭の中から引き出す学習です。つまり過去問や問題集を解くことがアウトプット学習なのです。そのため、私はテキストを読むよりも過去問や問題集を解くことに重点をおくことをオススメします。
過去問や問題集を解いてみてわからないところをテキストで確認するといった方法がもっとも効率的だと思います。
過去問や問題集の使い方
過去問や問題集を解く際は、同じ問題をできるだけ短いインターバルで繰り返し解くことで短期記憶を長期記憶に定着させます。
過去問や問題集を解く際に気を付けなくてはいけないことがあります。それは1問1問の正解不正解に一喜一憂しないことです。正解か不正解かの結果を求めるのは資格取得試験の本番だけです。
学習中はあくまでも学習内容を理解できているかを問い続けましょう。
例えば、社会保険労務士試験の択一式問題(5つの長文の中から正しいものあるいは誤っているものを答える問題)で言えば、学習中は5つの中から正答を求めるのではなく、5つの文章1つ1つが正しい内容なのか誤っている内容なのかを判断した上で、誤っている内容であればどの部分が誤っていて正しい内容は何であるのかを答えられて初めてその問題はクリアしたことになります。
繰り返しますが、学習中はあくまでも上記のことができて初めてクリアです。
この水準になるまで、何回でも同じ問題を繰り返し解き続ける必要があります。
一度クリアできた問題はもう解かない
そして、アウトプット学習が同じ問題をできるだけ短いインターバルで解く必要がある時間との戦いである以上、一度クリアした問題はもう解く必要がありません。
よってアウトプット学習では繰り返し解いていくうちにだんだんと解くべき問題が減っていくのです。そうすることで苦手な(覚えていない)問題だけを効率的に復習することができます。
学習の最後の方になってくると、各科目の苦手な問題が少数残るだけなので、学習範囲が広い資格取得であったとしても、全範囲の苦手分野だけを毎日復習することだってできます。
アウトプット学習を効率化する秘密兵器
さて、この学習方法を行うにあたって私が使っていた秘密兵器をご紹介します。
それは「ココフセン」です。
この商品、詳しくは商品リンクを見ていただきたいのですが、付箋の束を本の表紙などに貼って持ち歩くことができるのでとても便利です。そして付箋自体が半透明になっているので文章の上に貼ってもその文章を読むことができます。
私はこの「ココフセン」を問題集の答えを目隠しする厚紙(赤い透明なやつの場合もありますが)に貼り付けて持ち歩いていました。
クリアできない問題の文章に「ココフセン」を貼り付けるようにしていました。そうすることで、次に解くときには「ココフセン」が貼ってある問題だけを解けば良いわけです。そして、クリアできたら貼ってあった「ココフセン」を剥がします。
「ココフセン」が無くなった時、資格取得はもう目前となっているはずです。また、ある程度繰り返していると、何度解いても頭に定着しない問題が何問か残るはずです。そうした最後まで残った選りすぐりの問題についてはあえて「ココフセン」を剥がさずに残しておくことで、試験直前の勉強を効率的に行う方法もあります。
以上、今回は「効率的なアウトプット学習」をご紹介しました。念のため、「ココフセン」のリンクをもう一度貼っておきます。
また、次回は「重たいテキストを軽くする方法」をご紹介する予定です。