今回は資格取得の勉強をするにあたっていかにして記憶を定着させるかをご紹介していきます。
新しく覚えた法律などを自分の頭に記憶として定着させるにはどうすればいいのか?私が資格取得の勉強をしていた時にもっとも苦労した点です。
このことをもう少し早く理解していれば社会保険労務士試験に8回も落ちることはなかったでしょう。そんな記憶定着の虎の巻をご紹介します。
さて、資格取得の勉強をする方法として「書いて覚える方法」と「読んで覚える方法」の2つの方法があると思います。
勉強の仕方は人それぞれですが、私は「読んで覚える方法」をオススメします(ただし、日商簿記のような計算問題があるような資格は書く必要がある場合もあります)。
その理由をご説明しましょう。
人間の記憶には短期記憶と長期記憶の2種類があります。
短期記憶とは、例えば今から10分かけて円周率を暗記するとします。10分後、すぐにに円周率を思い出そうとすればおそらく10桁位は覚えているでしょう。しかし、明日の朝、同じように円周率を思い出そうとしてもせいぜい5桁位しか思い出すことはできないはずです。
ちょっとわかりずらい説明になりましたがこれが短期記憶です。その時は覚えているけれどすぐに忘れてしまうものです。
一方で長期記憶とは、例えば自分の家から最寄り駅までのルートです。これは今でも覚えていますし、明日の朝になっても1か月後になっても覚えているでしょう。これが長期記憶です。
あるいは我々が今現在、話している言葉なども長期記憶と言えるでしょう。
ということは、何かを覚えるということは短期記憶を長期記憶に変換することと言えます。
それでは短期記憶を長期記憶に変換するにはどうすればいいでしょうか?
それは短期記憶を忘れる前に頻繁に取り出すことです。アウトプットを繰り返すことです。
人間は基本的に重要でないことは忘れるようにできています。当然です。目の前で起きたことを1から10まで全て覚えて忘れられなかったとしたらうっとうしくて仕方ありませんから。
それでは重要なことと重要でないことの違いはなんでしょうか?
それは頻繁に使う情報がそうではないかの違いです。
覚えたいことを頻繁に取り出すこと、アウトプットをすることで短期記憶は長期記憶へと変換されます。
それではアウトプットを繰り返すとは具体的にはどうするのかというと、過去問や問題集を解くことです。
過去問や問題集を解くということは覚えた知識を取り出して問題解決を行うことです。それを繰り返すことによって短期記憶を長期記憶へと変換していくのです。
覚えた情報を長期記憶に置き換えることができれば、その情報は簡単に忘れることはありません。
ただし、この勉強方法には注意点があります。
最大の注意点は短期記憶は忘れやすいということです。今日覚えたことは明日でも半分くらいは覚えているでしょう。しかし、それが1か月後になるとほぼすべてを忘れていることになるでしょう。それが短期記憶です。
ここで気をつけるべきは鉄は熱いうちに打つように昨日覚えたことは今日、アウトプットすることです。
例えば、社会保険労務士試験は10科目あります。試験範囲が非常に広いので問題集も1冊の辞書と同じくらい厚いのが普通です。
そのような問題集を最初から最後まで解いていたら、かなりの期間がかかってしまいます。その結果、一番最初のページの問題を次に解く頃にはその記憶は完全に無くなっているということが容易におこります。これでは非効率過ぎます(この非効率を何回繰り返したことか…)。
こうした問題を防ぐために私は問題集の最初から最後まで解くのではなく、科目ごとに解くようにしました。例えば社会保険労務士試験であれば、労働基準法を何回も繰り返して解き、ある程度覚えきってから次の労働安全衛生法の問題を解き始めるといった具合です。
このように1科目づつ短期記憶から長期記憶に変換することで確実に資格取得へと進んでいくことができます。
また、短期記憶を忘れないうちに何度もアウトプットすることを考えると時間との戦いになります。そう考えると「書いて覚える方法」よりも「読んで覚える方法」を私がオススメした理由もご理解いただけると思います。
以上、今回はいかにして記憶を定着させるかをご紹介しました。
次回は今回ご紹介した勉強方法に役立つグッズ等のご紹介をしていこうと思っています。
今回、ご紹介した勉強方法の参考になった書籍をご紹介します。私はこれらの書籍の勉強方法をそのまま行うことはできませんでしたが、そのエッセンスはとても有意義で役に立ちました。きっと新しい発見があると思います。